若者世代、コロナ禍で「金よりビットコインを選択」
モルガンスタンレーの新興市場責任者がCNNに出演、現在の金融緩和政策や代替資産について話し、若い世代はゴールド(金)よりも、ビットコイン(BTC)を好むと指摘した。
新興市場責任者兼チーフ・グローバル・ストラテジストのRuchir Sharma氏は、現在は「一般的に、中央銀行が大量のお金を刷っていると認識されており、逃避資産が必要だという感覚が根強く漂っている。このため、そうした資産はしばらく順調だろう」と述べ、インフレ懸念が代替資産を後押ししている状況について自身の見解を披露した。
Sharma氏ポートフォリオの5%程度をゴールドに投資するのは悪い考えでないとしつつも、「もう少し冒険心がある人ならば、ビットコインやその他の仮想通貨にも目を向けるだろう」とコメントしている。
どの代替資産を選ぶかには世代間格差もあり、年配の投資家はゴールドを好むが、多くのミレニアル世代がゴールドよりもビットコイン(BTC)を選択していると指摘する。
ゴールドは今年1月頃より価格が上昇、8月初旬に史上最高値の2058ドルを記録、現在は1930ドル前後で推移。一方のビットコインも先週末に大幅安となったが、年初来騰落率では64%高となっている。
コロナ禍で不透明な経済の先行きと各国政府の金融政策に伴う、インフレ懸念や金融市場のカネ余り、通常の名目金利から予想物価上昇率を引いて算出する実質金利の低下で、金利を生まない金やビットコインなどの資産価値が相対的に上昇する傾向も投資価値も後押しした。
マーケットも拡大したことから、手軽に取引ができるようになった仮想通貨市場で、若い世代が気軽に投資行動に移りやすい対象として、ビットコインが置かれた可能性はあるといっても過言ではないだろう。